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谷川俊太郎さんの詩を写した映画

小さいけれどいつもいい映画をやっている、私のお気に入りの映画館、
新開地の「神戸アートビレッジセンター」で映画を見てきました。
映画のタイトルは「谷川さん、詩をひとつ作ってください。」

谷川俊太郎 2

最初に、監督が谷川俊太郎さんに「詩をひとつ作ってください。」と、お願いします。
「承知しました。」と、谷川さんが引き受けます。
そのあと、何人かの人の暮らしや想いが入れ替わりながら映し出されます。
福島県相馬市の女子高校生達、大阪釜ヶ崎の日雇労働者の男性、東京の有機農家の父子、
長崎諫早湾の漁師夫婦、青森の霊媒(イタコ)の老女など、皆さんの生き様の描写です。
登場した方々が、これまでに詠まれた谷川さんの詩をそれぞれ1つ朗読します。
まるでその詩が、新たにその方々のために詠まれたかのように重なっていきます。

そして最後に、谷川さんが登場した皆さんの生き様や思いを受け取り思索して、
一篇の詩を創作し、画面に出現します。
それだけの話です。
感動させようと、無理やりドラマが作られていることもありません。
ただ、最後に現れる谷川さんの詩をじっと見て何かを感じて、
すっきりと映画を見終えることができます。

その詩を今は書けません。
一回見ただけでは、とても私には覚えられませんでした。
この詩とはもう一度ゆっくり出会い直して、じっくり味わいたいと思っています。

私が谷川さんに持っているイメージは、何故か芸術家と言うより、
伝統技術の職人のようであり、精悍で求道的なアスリートのような存在です。
今回の詩も、谷川さんの心と頭の中にある溢れんばかりの言葉を材料にして、
見事に創り上げられた建造物のように感じました。
そして、そこからは優しい音楽が流れている、そんな想いをしました。
やはり谷川さんは、現存する最高の言葉の達人です。

パラパラとしか居ない観客席を見るにつけ、
この作品を作ってくれた製作スタッフの皆さんの、作品への思い入れと勇気と根気強さ、
それに、この題材で素晴らしい作品に仕上げた技術に、心から感謝します。

私にとって、映画は最高の娯楽であり最高の芸術です。

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プロフィール

日だまりのトラ猫      (加島 一正)

Author:日だまりのトラ猫 (加島 一正)
神戸の下町で20余年、ちっちゃな塾を営んでいます。
どんな子でも自立して社会に出れば、そこそこ幸せな生活ができる。そんな世の中にしたくて、こども達と学び会う今日この頃であります。
映画を見たり、珈琲を飲んだり、犬や猫を撫でること、それに商店街のぶらり歩きと、なにより食べることが大好きな、団塊世代のじいさんです。

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